SPECIAL INTERVIEW

特別インタビュー

「関わる人が多様になった」 半年間のチームワークの先

株式会社CoAct 代表取締役

渡嘉敷唯之 さん

第9期生 活動地域:静岡県全域
「関わる人が多様になった」 半年間のチームワークの先

事業性と課題解決を目指して

 東海若手起業塾に入ったのは、個人事業として事業をおこなっていた2年目くらいの時期でした。元々はケアマネジャーや福祉の仕事をしていたのですが「支援が届かない人に対してなにかできないか」と思うようになりました。その際に、東海若手起業塾のメンターでもある川北さんが講師として参画している、静岡市の「人材養成塾」に参加しました。その時に東日本大震災の災害関連死の話を聞いて、この課題に取り組もうと思ったのがスタートでした。

 最初は勉強会などをやっていたんですが、1年半ほど経った頃に、事業としてやろうと思って独立しました。最初は殆ど仕事がなかったのですが徐々に仕事は増えてきました。ただ、売り上げが少ないことに課題を感じていたことと今やっている事業で本当に課題が解決するのか、という思いを抱えていました。もう少ししっかりしたいな…と思っていたところ、Facebookで募集を知って説明会に行きました。ちょうど自分のようなフェーズの人が来るという話を聞き、応募することに決めました。

最も変わったのは”関わる人が増えたこと”

 支援期間がスタートしてからは、事業の根っこを掘られました。 福祉事業所の災害時のサポートの事業の話をしていたのですが「なぜあなたはそれをやっているの」「あなたは何屋さん」「そもそも平時は?平時のことを解決しないまま災害時?」など様々な視点で問われました。話しているうちに「災害時も平時もハイリスクな重症心身障害児の事業所をやる」というそれまでの事業と全く違う流れにまでなりました。今思うと相当に揺さぶられていましたが、そのおかげで自分が何をしたいのかを考えるようになりました。また、コーディネーターとプロボノがいることでとても支えられ、ものすごく早く動く感覚を覚えました。そこで自分一人でやらないことを意識するようになりました。東海若手起業塾が終わったあとにデザイナーさんと一緒に冊子を作ったり、その冊子を起点に講師として呼んでもらったり…と、様々な方の力を借りることで事業の幅が広がりました。また、それまでは被災地支援には一人で行っていたのを、チームを作って行くようになりました。東海若手起業塾で自分だけではできないことがある、ということを強烈に実感させてもらいましたので、その結果事業に関わる人が増えて、多様になったと思います。自分にとっては筋が通っていることや正しいと思っていることが周りから見るとそうじゃないことがあるということを自覚できました。メンターの石川治江さんが「ひとりの夢を みんなの夢に」と話しているように、ちゃんと説明ができるビジョンを共有しないと進まないというのが大きな学びでしたね。

仕組みを作り課題解決へ

 今は個別で研修をしたり、事業所に行ったりはしていますが、これを仕組みにしたいと思っています。その方法として、新しい制度や、新しい保険商品ができるように動くことを考えています。行政に対しては、法人とは別の任意団体で協働事業としてやっていて、条例や国の制度に持っていけたら良いと思っています。保険商品は、被災地支援で見えたニーズを保険会社が持っているサービスの中に組み込んで、保健市場の中で広がっていく形にしたいです。去年、自分がやった研修の参加人数と回数を数えたところ、約2,000人だったんです。それを見て「これじゃダメだ」と思いました。研修を1回受けただけでは、現状は劇的には変わりません。そのための仕組み作りが重要だと考えています。東海若手起業塾に入った時の「この方法でいいの?」という課題は、まだそのままになっています。一見防災の話に見えない楽しいことだけど、結果的に防災になっている、ということまで昇華できるようにしたいです。

「自分にしかできない」と 思っている人が視野を広げる場所

 一人で考えている人や、悶々としているけど相談する人がいない人は、東海若手起業塾に行ったほうがいいです。一人で考えているうちは、だいたいしょうもない考えが多いと思います。それから、「自分にしかこの課題が解決できない」「誰にも理解されていない」と思っている人も、行った方がいいですね。そう思っているうちは視野が狭く、限界が近いと思います。東海若手起業塾は、そういう人にとって視野の広さや選択肢の幅を広げてくれる場所だと思います。とはいえ、誰かに言われてやっても仕方がないので、このままじゃいけない、と自分で思っている人にお勧めします。

株式会社CoAct 代表取締役 現在の事業内容

災害後の被災生活のストレス等による死亡(災害関連死)を防ぐことを目的に、より関連死のリスクの高い高齢者や障碍者の支援を行っている福祉事業所が災害後もできるだけ早く事業を再開できる体制(BCM:事業継続マネジメント)を構築する為にマニュアル(BCP)の策定や職員向けの研修、訓練などを行う。

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