SPECIAL INTERVIEW

特別インタビュー

「自分に何ができるのか分からない」から始まった起業塾。メンターと共に新しい虐待防止モデルを作る

絵本作家・イラストレーター

生川真悟 さん

第8期生 活動地域:愛知
「自分に何ができるのか分からない」から始まった起業塾。メンターと共に新しい虐待防止モデルを作る

自分に何ができるのか分からない中でのエントリー

 大学卒業後に入った会社から、2013年に学童保育所に転職し、ワークショップの営業などをやっていました。絵を描かなくなっちゃう子どもの存在を知るうちに、 「もっとこうしたらいいのに、もっと見守ってあげたらいいのに」とか親と子供の関係性について考えるようになったんです。東海若手起業塾にエントリーしたのは。2015年。虐待を防ぐための企画書を作って児童相談所などに持って行ったりしていたのですが、誰も受け取ってくれなくて。「誰も動いてくれない、みんな最悪だ」とずっと怒っていたんです。

 そうしたら、実行委員長の毛受さんに「東海若手起業塾にエントリーしてみたら?」と言われて、エントリーシートを書き始めました。その時は、若者が自殺することがすごく気になっていたので、エントリーシートには「自殺を減らしたい」と書いていました。その時は「子どもと自殺と本」がテーマで、虐待にはクローズアップしておらず、自分に何ができるのかも分かっていませんでした。それでエントリーシートが通っているから面白いなあと思いますね(笑)

「子どものことをやる作家」ではなく
「作家として、子どもとお母さんに手を差し伸べる」

 最初の研修で見えてきたのが、僕自身虐待を受けていた過去を振り返ると、叩かれた記憶とは別に、母親に本を読んでもらったことをすごく覚えているということでした。そこから、メンターの方のアドバイスを受けて、子どもたちと絵を描くワークショップの設計をしたんですが、数を消化させることに感動が生まれなくて、全然腹落ちしなかったんです。論文を読んでみてエビデンスも取れたんですが、だからやりましょう、とはならず、モヤモヤしていました。するとメンターの方に「あなたは、絵本でどうにかする方法を考えてみなさい。」と宿題をもらいました。  そこから考えたのが、虐待を絵本を通して予防する「子はたからプロジェクト」です。このプロジェクトの目的は、まず1つは、親子の生活の中に入って、本というファンタジーの世界で親子の関係を修復すること。そしてもう1つは、外野からサポートすることです。「助けて欲しい」と思っても誰に何を助けて欲しいと言えばいいのか分からない人が多いですよね。そこで、子育てに関する行政の相談窓口や預かり施設などの「たすけびと」を書き込めるページを作りました。

虐待防止の新しいモデルを多くの人に

 「子はたからプロジェクト」モデルを発表したところ、メンターの石川治江さんが「一緒にやろう」と言ってくださって、次の年度から本の構成を考え、2018年にプロジェクトが始動しました。今はとにかくいっぱい届くように、行政を中心に広げていっています。「子どものことをやる作家」ではなくて「作家として、子どもとお母さんに手を差し伸べる」ことができたらと思います。今後は、「子はたからプロジェクト」をさらに広く展開していきたいです。現在は、愛知以外に京都の方でも動いていますが、もっと広く展開できたら、虐待に対する打ち手としてこういうやり方があるというのを公に向けて発信していきたいです。最終的には、この本を出さなくても良い世の中にしたいですね。

東海若手起業塾からビジネスを

一般的には、子どもが大人に「なんで?」と聞くように、大人が大人に質問しても応えてくれないことが多いですが、 東海若手起業塾は、ちゃんと反応してくれる大人が沢山いますね。  また、僕は当時メンターだった石川治江さんが、塾生の時の報告を見て「うちにおいで」と言ってくれたおかげで、子はたからプロジェクトは動き始めました。メンターの戸枝さんのところでも1回ワークショップをさせてもらったり、佐藤真琴さんも何かあると連絡をくれたり…と、 東海若手起業塾での縁が、勝手にそのまま継続しています。色々な人が集まり東海若手起業塾の生態系ができているので、東海若手起業塾に関わる人たちで1つのビジネスができるんじゃないかと思います。

絵本作家・イラストレーター 現在の事業内容

・児童虐待を予防防止する為のツール作り(企画・制作) ・アートプログラムによる親子関係の向上と虐待予防の推進 ・ワークショップの開発と実施

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