SPECIAL INTERVIEW

特別インタビュー

「こんなこと
やりたい」という
希望を、
本格的な
ビジネスに変えてくれました。

郡上木履

諸橋有斗 さん

第6期生 活動地域:岐阜県郡上市
「こんなこと
やりたい」という
希望を、
本格的な
ビジネスに変えてくれました。

郡上の魅力に惹かれて沸き上がった夢。
しかし、事業にするには知識も経験も乏しかった。

大学でインテリアデザインを学び、建築会社に就職しました。しかし、自分が本当にやりたいのは木工の仕事だと気づき、退職。岐阜県立森林文化アカデミーに入学したのが、私の起業の第一歩になりました。愛知県出身で、郡上には縁のなかった私ですが、自然豊かな土地柄に惹かれ「この町で起業したい」「郡上の魅力を発信したい」と思うようになったのです。そこで、目に留まったのが「郡上下駄」でした。木材に恵まれた郡上は、かつては下駄の産地でしたが、日常履きされなくなったことで衰退し、現在では郡上で生産される下駄はほとんどなく、他県から入荷して販売している状況だったのです。

ならば、森林文化アカデミーで学んだ木工の技術をいかし、郡上の使われない木材を活用して「郡上下駄」を復活させて地域貢献する…。それが私の夢となりました。ところが、木工の技術もまだ十分ではなく、ビジネスプロジェクトを立ち上げたこともない私が起業するには、知識も経験も乏しすぎる。そんな時、知人に勧められたのが「東海若手起業塾」でした。

考えては、また考え直しの繰り返し。
自分と向き合うごとに、ビジョンが鮮明になった。

エントリーしたのは起業前で、ビジネスモデルを作りたいという思いで入塾しました。起業塾ではマーケティングを学ぶと思っていましたが、最初に問われたのは「何のための事業なのか」ということ。入塾時には「郡上の使われない木材を使って森林を守りたい」という課題意識を持っていましたが、「何のために」「誰のために」を問われて、郡上の自然について調べるうちに、下駄の生産は木材の使用量が少なく、郡上の森林問題を解決しきれないという現実が見えてきました。そこで再び考え直しです。すると次は「耳ざわりがいいだけの〝イイコト〟をやっていないか」と問われ、「何故、その事業が必要なのか」をとことん考えさせられました。地元の木材を使う…ということだけでは本当の地域貢献にならない。ならば、どうすればいいのか。この事業の、何が本当に必要とされるのか。塾では何度も発表の機会があり、考え抜いたプランを発表する度に、思わぬ方向から厳しい指摘を受けて、また考え直す。その繰り返しを経て、郡上産の木材を使うことを前提に質の高い郡上下駄を生産し、全国発信して郡上の注目度を高める…という現在のミッションに辿り着くことができました。

ビジョンと数字をリンクさせること。
あの時の学びが事業を前進させてくれた。

卒塾後、地元のご縁で知り合った「株式会社郡上割り箸」の下駄事業部として、事業をスタート。2015年にはアンテナショップが誕生し、翌年10月に独立しました。下駄職人でありながら、経営者としてもスタートした今、起業塾で数字を含めた中長期計画を立てたことが非常に役に立っています。起業塾では、ビジョンを明確にすると共に、3年後、5年後を見据えた計画を求められました。経営ノウハウがなく、数字を見るのは苦手でしたが、コーディネーターが私のビジョンに数字をリンクさせながら、マーケティング的な視点も含めて指導してくださったのでとても助かりました。数字的な目標と根拠を細分化することで、今、何をしなければいけないかが明確になり、事業を着実に前進させることができたと感謝しています。ここ数年、郡上おどりの観光客が増え、郡上が少しずつ活気づいていると感じます。郡上の風景となるような店に育てて、全国で発信し続けていくのが今の目標です。

自分の考えに風穴を開ける。 そこに目指す現実がある。

自分一人で考えることには限界があります。起業塾では、選考会や集合研修など、プレゼンの機会に恵まれ、その度に自分の考えに風穴を開けてもらえたことはとても良かったと感じています。メンターからの鋭い指摘は、当時の自分には辛く厳しく感じたときも多々ありましたが、回を重ねるごとにさまざまなアイディアや多角的な視点が盛り込まれていき、ビジョンが鮮明になっていきました。また、塾生は事業をはじめたばかりの人が多いので、一緒に学べる環境でお互いに磨かれていくのは貴重な機会になると思います。

郡上木履 現在の事業内容

郡上下駄の製造・販売を行う『郡上木履』を経営。郡上産のヒノキを使用した下駄は木目がキレイで丈夫だと好評。創業当時は小売りが中心だったが、郡上おどりを背景とした昔ながらの製法で作られた二枚歯下駄はご年配の人には懐かしく、若い世代には新鮮なデザインに感じられることから注目を集めはじめ、昨年は日本最大手の呉服屋との取引がスタート。年間約3,000足を販売し、売上を伸ばしている。

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