郡上木履
郡上の魅力に惹かれて沸き上がった夢。
しかし、事業にするには知識も経験も乏しかった。
大学でインテリアデザインを学び、建築会社に就職しました。しかし、自分が本当にやりたいのは木工の仕事だと気づき、退職。岐阜県立森林文化アカデミーに入学したのが、私の起業の第一歩になりました。愛知県出身で、郡上には縁のなかった私ですが、自然豊かな土地柄に惹かれ「この町で起業したい」「郡上の魅力を発信したい」と思うようになったのです。そこで、目に留まったのが「郡上下駄」でした。木材に恵まれた郡上は、かつては下駄の産地でしたが、日常履きされなくなったことで衰退し、現在では郡上で生産される下駄はほとんどなく、他県から入荷して販売している状況だったのです。
ならば、森林文化アカデミーで学んだ木工の技術をいかし、郡上の使われない木材を活用して「郡上下駄」を復活させて地域貢献する…。それが私の夢となりました。ところが、木工の技術もまだ十分ではなく、ビジネスプロジェクトを立ち上げたこともない私が起業するには、知識も経験も乏しすぎる。そんな時、知人に勧められたのが「東海若手起業塾」でした。
考えては、また考え直しの繰り返し。
自分と向き合うごとに、ビジョンが鮮明になった。
ビジョンと数字をリンクさせること。
あの時の学びが事業を前進させてくれた。
郡上木履 現在の事業内容
郡上下駄の製造・販売を行う『郡上木履』を経営。郡上産のヒノキを使用した下駄は木目がキレイで丈夫だと好評。創業当時は小売りが中心だったが、郡上おどりを背景とした昔ながらの製法で作られた二枚歯下駄はご年配の人には懐かしく、若い世代には新鮮なデザインに感じられることから注目を集めはじめ、昨年は日本最大手の呉服屋との取引がスタート。年間約3,000足を販売し、売上を伸ばしている。