ACTIVITY_REPORT

活動報告

【イベントレポ】声なきを聞き、形なきに見る。社会起業家から学ぶ起業の裏側

活動報告
7月19日に、イベント「Social Innovation Academia2021①」を開催しました。
 
このイベントは、東海若手起業塾にプロボノとして参加するブラザー工業(株)の社員の方への事前研修を兼ねたものです。
「Social Innovation Academia2021」は、東海若手起業塾のOBOGや、プロボノOBOGをゲストとして招き、社会課題をビジネスで解決するイノベーターの視点や、イノベーターと共に歩む方法を学ぶことを目的に開催しました。
 
第1回のテーマは「アントレプレナーシップの醸成」
東海若手起業塾11期生のNPO法人コネクトスポット 理事長の山下祐司さんと東海若手起業塾 13期生のmoily 代表の池宮聖実さんににお越しいただき、創業ストーリーを中心に、アントレプレナーシップの大切なポイントをそれぞれ語っていただきました。
まずは、お二人から、それぞれ創業するまでのストーリーや東海若手起業塾を通じて現在の事業に活かしているポイントを中心にお話をしていただきました。
 
まずお話しいただいたのは、moilyの池宮さん。
 
 
起業家の中でも自分は「行動派」だという池宮さんは、大学時代にカンボジアを訪れたことをきっかけに、1年間のバックパッカー経験を経て、カンボジアの方が作るカゴを取り扱う事業としてmoilyをを立ち上げました。
「私は、本当にその土地に根付くものを創りたい"と思っています。
"東南アジアのものは安くて品質は悪い"や"価格が安くてかわいそうだから買ってあげる"ではなく"ものがいいから買う"になるようなものづくりを目指しています。」
 
 
しかし、moilyはただカゴを作っているだけではありません。池宮さんは、カンボジアの人たちの働き方に着目し「選択肢を作っている」と話します。
 
「私が関わっている村でには、仕事はほとんどなく、①自分たちが食べるお米をつくる②廉価なかごをつくる③タイやプノンペンなどへ出稼ぎにいくしか選択肢がありません。そこでmoilyでは、今のかごつくりをバージョンアップすることで収入を作っています。」
実際、現地の住民にアンケートを取ったところ、moilyに関わったことで収入は2.5倍に上がっているのだそう。順調に課題解決しているように見えますが、池宮さんは「金よりも大切なことがある」と話します。
「ビジネスとして確立させることに焦点を当てていた時期があったんですが、その頃は現地の人たちの心を置き去りにしてしまっていたんです。その経験を生かして、働く人が大切にしていることを大切にしながら仕事を確立することで、喜びに繋がるようなライフワークバランスを守ることをしようとしています。」
 
続いては、コネクトスポット理事長の山下さん。障がいを持っている方や対人関係で悩んでいる方を対象に多種多様な専門家チームを組んだトータル支援事業を岡崎でされています。
 
 
山下さんは、東海若手起業塾にエントリーした際はフリーランスとして活動していましたが、東海若手起業塾での支援が終了する頃にNPO法人化しました。
 
 
山下さんは、起業において大切なことを「身の丈」と話します。
「僕は普通の人なので、見の丈を考えて、もう少しだけ手を伸ばすことを大事にしています。普通を普通以上にやる。例えば宿題を毎日やるとそれは普通じゃなくなるんです。
また、お金をかけるより手間をかける。対人関係が大切な仕事でもあるので、手間暇かけて生まれるものこそが信頼になり、事業になると思います。」
 
お二人のプレゼンテーションの後は、参加者の方からの質問を中心に進行しました。
最初の質問は「新規事業の立ち上げに関して動こうとすると、周囲から意識高いね、と思われそうで不安です。人との関わり方や、周囲の視線の乗り越え方を教えてください。」
 
山下さん:サラリーマンから起業するのは難しいことなので、仲間が必要です。2人で責任を負う覚悟がある人と一緒にいることは大切だと思います。
池宮さん:私は周囲の友人に相談したら「そんなの無理でしょ」と言われて、起業していない人に相談しても意味がないとハッと気づきました。
 
 
行動するうちに、理解してくれる人に必ず出会えるだろうと思ったので、最初は周りに相談はしませんでした。今は理解してくれる人がいなくても、どこかにはいると思っていましたね」
お二方とも、会社を経営する上で理解ある人が必要なところが共通しています。
 
次の質問は「事業で価値を届けたい人たちや課題解決したい人たちの理解をどのように進めていきましたか?」
 
 
山下さん:困っている人が何に困っているのか、自分から顧客理解をするように心がけています。僕は「声なきを聞き、形なきに見る」ことに重点を置いてみています。
池宮さん:困っている人本人のことは全部は理解できないです。だからこそ、話を聞く、目や表情を見ることを大切にしています。また、安心安全で、否定しない環境をつくることで理解するよう心がけています。
 
最後に、アントレプレナーシップで大切なことを教えていただきました!
山下さん:”身の丈”という言葉でも表せるんですが、自分の言葉で伝えることが大切だと思います。岡崎市で僕が行っていることはオンリーワンの事業で、自分だからこそでてくる行動や言葉があるからこそ、人を惹きつけると思います。
池宮さん:海外に出向く中で、情報と自分で見ることには大きな差があると感じました。直接当事者と話すことで、どうしたら解決できるのか、少しずつ積み重ねていったことが今に繋がっていると思います。
 
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お二方のお話で感じたのは、どんな人でもアントレプレナーシップを育めること。「アントレプレナーシップは特別ではない」ということが今回伝えていただいた大きなポイントの1つだと感じます。
起業のプロセスはそれぞれですが、いろんな人との出会いや大切にしていることを東海若手起業塾で再構築して今に至っていることが伝わりました!
参加者の方からも「お二方アプローチは違えど、誰かのインサイトを自ら観察して探し出し解決するという共通点があり、それがリアルな体験談で聞けたので、これまでなんとなく大切だと思っていたところが、より具体化されて重要度が身に染みた」「事業主と社員なので、規模や責任の範囲は異なりますが、共通した悩みが垣間見れ、非常に勉強させていただきました」と感想が寄せられました。
(事務局:中田&古井)
 
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この「Social Innovation Academia2021」は3回に渡って開催しております。また次回以降のレポートもお楽しみに!