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活動報告

【イベントレポート】先輩起業家に聞く、外国人と「共に働き、共に暮らす」事業のあり方

活動報告
先日5月20日に東海若手起業塾15期募集説明会&トークイベント【第3弾】
先輩起業家に聞く、外国人と「共に働き、共に暮らす」事業のあり方 を開催しました!  
 
ゲストは、 NPO 法人外国人就労支援センター理事 / 株式会社イノベイティブ・デザインキュー代表として、外国人・子育て中のママ・シングルマザー・若者・障害者・高齢者など、多様な人材が活躍できる地域づくりをしている山元梢さんと、
 
「世界に、喜びのある日常(いとなみ)を」をテーマに、moilyの代表として、カンボジアの職人や、様々な人たちと共に、かごづくりをしている池宮聖実さん。
 
まずはゲストのお二人から、事業紹介、そしてこの日のテーマである「外国人と『共に働き、共に暮らす』事業のあり方」についてプレゼンしていただきました。
 

■ゲストプレゼン 池宮さんより■

学生時代にカンボジアを訪れた池宮さん。イメージしていた”かわいそうな国”はどこにもなくて、衝撃を受け、自分の目で世界の事実を見るべく大学卒業後バックパッカーになり、世界一周を経験しました。 2014年から2年間カンボジアのシェムリアップに移住し、農村で作られているかごに着目。「moily」というブランドを立ち上げ、商品改良を行い日本で販売をスタートしました。ECサイトや岐阜県垂井町にある実店舗での販売、百貨店催事出店を行なっています。  
 
「そもそも、『お金がない=かわいそう』ではないんです。選択肢がないことが問題なのです。『私にはこれしか働く選択肢がないから』と体を売っている女の子に会ったことをきっかけに、本人たちが頑張ってもどうにもならない部分を変えていけないだろうか?と考えるようになりました。
 
カンボジアの人たちは家族との時間を何よりも大事にしています。なのに出稼ぎにいくしか選択肢がないことをなんとかしたい!と思った時に、かごが高く売れれば、村にいながら働けるのではないか?と考えました。」
 
また、世界一周をする中で感じたのが、一方的な支援の形や、支援する側・される側という上下関係だと言います。
「"かわいそう"という売り方で上下関係を作るのではなく、クオリティの高さや素材の独自性で勝負することが大切です。 カンボジアの人が大事にしていることを私も一緒に大切にしながら、事業をやっています。」
 

■ゲストプレゼン 山元さんより■

 
山元さんのいる豊橋は日系外国人の方が日本で二番目に多い地域。 約20年前に、外国人のこどもたちの学習支援から活動をスタートしました。
 
しかし、山元さんはとあることがきっかけで、就労支援へと舵を切ります。
 
「外国人の小学生の子が”嘘をついて”将来の夢について作文したと教えてくれたんです。美容師になりたいと嘘を書いたと。なぜ嘘をつくのか聞いたら、『だってぼくたち外国人の子どもは、大人になったらバスにのって工場にいくしかないんでしょ?』と言われてハッとしました。これは学習支援ではなく就労支援が必要だと気づき、舵を切りました。」
 
「また、夏にライ麦の畑仕事を外国人の若い男の子たちにお願いしたんです。すると、ものすごい働いてくれて、驚いた農家のおばあさんたちは、お金を払って『明日も働きにこれる?』と言いました。
この子たちは自分たちの得意なことでお金を稼いで仕事までとってきたんです。私はそれまで、『この子たちこんなにかわいそうなんです』って言いまくって、彼らの価値を下げることをしてきたのではないか?と自分に問いました。
彼らの『ために』支援するのはやめよう。彼らと『ともに』、地域の人たちに求められる仕事をしよう。と決意しました。」
 
 
では、外国人の方が働きやすい環境とはなんでしょうか?
 
3つ以上の属性の人たちが集まると、薄まるんです。おじいちゃん、シングルマザー、障がい者、外国人、子ども…など。写真をみて分かる通り、外国人の方はそんなに目立たないですよね?
外国人就労支援支援センターという名前で事業を行っていますが、特段外国人の人に何かしているわけではないんです。
『ために』から『ともに』というところで、外国人の人とともに始めた事業がデイサービスだっただけです。さまざまな属性の人たちが集まったことで、助け合い、いつのまにか問題が解決したんです。
考え方としては、『社会問題をとらえ、解決しようと取り組む』というよりは、『楽しい取り組みの結果が、いつのまにか社会問題を解決している』という形をとっています。」と語ってくれました。
 
プレゼンのあとは、本日のテーマについてのクロストークへ。
 

■クロストーク■

古井:「ともに」というスタンスで事業を立てるにあたって、ポリシーや約束事、大事にしていることはありますか?
 
山元さん:グループ全体の理念を統一して「ともに生きる」を掲げています。それだけは絶対です。利益追求型ではなく、効率重視ではなく、全員でともに生きるための最善策をその時々で考えていきます。 外国人の方への支援は、どの立場の人でも当てはまります。たとえば障がい者とかシングルマザーとか病気とかは全ての人たちに起こりうる問題です。どんな立場になったとしてもできる仕事を作っていく必要があります。どんな人とでも「ともに生きる」というスタンスを伝えています。
 
池宮さん:ちゃんとそこの村の強みとなること、ということを初めから念頭に置いています。 現地では、かごは基本使い捨てにされていますが、客観的に見て「素材は丈夫だし、これはちゃんと丁寧に作ったら価値があるから!」と伝えました。その一方で、いざ日本向けに製品化するとなった時に、どこまで妥協せず品質を求めるかが難しかったです。自分が一生懸命作ったものを『買い取れない』って言われたら怒りたくなりますよね。その気持ちはわかるんだけど、それでも『クオリティを上げよう』と言い続けたことが、辛かったけど大事だったなと振り返ってみて思います。
 
古井:伝え方やコミュニケーションで大事にしていること、または失敗したことなどはありますか?
 
池宮さん:昔、『仕事をつくること=いいことだ』と思い込みすぎて、人が離れて行ってしまったことがありました。今思うと何も彼らのことを考えられていなかったと反省しています。 カンボジアの人たちの大切にしていることを尊重して、それに寄り添うようになってきてからいい方向に変わりましたね。
 
山元さん:昔は大家族で家にいろんな大人がいましたが、今は核家族化して、さらに仕事と暮らしが完全に分断されているから、ものすごく働きにくいです。それでさまざまな問題が起きるのだと思います。   うちは最初から子連れ出勤OKの会社です。 赤ちゃんが生まれたばかりのお母さんが『家よりここのほうが楽だから』、と来てくれるんですね。 全社員に向けて「仕事じゃないよ、暮らしだよ」ということを伝えています。
 

―最後に振り返りと、東海若手起業とは?―

<池宮さんより> 今日はゲストとして来ていますが山元さんの話を聞くのが本当に楽しみでした!素晴らしい事業だと思いましたし、ぜひ豊川に見学にいきたいです! こうやって代を超えていろいろな方に繋いでいただけるところが東海若手起業塾の魅力だと思っています。 支援期間の半年間で自分自身では考えられないような深いところまで考えさせてもらえます。 そして自分の事業の話をしてもスッと分かってもらえる、そんな安心できる場所です!
 
<山元さんより> どうしても日々事業を続けるために儲けることばかりに頭が向きがちなので、池宮さんのプレゼンを聞いて初心に立ち返ることができました。 私たちが目指している姿はカンボジアにはもともとあって、問題にすらなっていないのだと、改めて気づかされました。 東海若手起業塾についてはかなり前ですが… メンターの川北さんに言われたことは今でも忘れないですし、そういう大物にアドバイスをいただける機会はとても貴重で、もし自分の会社で個別にお願いしようと思ったらお金がかかりすぎるので、本当にブラザー工業さんのおかげです。ありがたい場です。
 

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