東海若手起業塾

塾生インタビュー

近藤隆洋氏/I LOVE 地元(第4期生)

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困った時に助け合える地域へ
自分の強みを活かした地元活性化を志す

 30歳まで、求人広告の会社で営業の仕事をしていました。地元活性化の事業を始めたきっかけは、10年ぶりくらいに会った地元同級生の親からの一言です。その方から「コンちゃんと飲みに行きたかった」と言われたことで、自分は地域の人達から気遣ってもらっていた、見守られていたんだということに気付き、今の自分があるのは地域の人たちのお陰だと思うようになりました。
 ただそう思った時に、自分は地域の現状について何も分からない状態だったんですね。そこで直接人に会って地域の現状を聞くことにしたのですが、話を聞くことで分かったのは、膝が痛く、電球を変えることもできないのに地域の人に頼めない、といったような、困った時に近所の人に頼れないという現状でした。
 この現状を何とかしたいと思った時に、自分は人が集まる場を作ったり、人が喜ぶことを企画することが得意だと感じていた事もあったので、この強みを活かして、困った時に助け合える地域にしていこうと思うようになりました。また、地域の活性化は仕事の片手間ではできないと思い、求人広告の仕事は退職しました。
 ただ会社を辞めたはいいものの、NPOや自治体など、地域活性に関する知識はゼロの状態でした。半年間は人の話を聞いたりしながら悩んでいましたが、まずは地域の人が気軽に集まって挨拶ができるようにと思い、あさ6時半から公園でラジオ体操をする「本気のラジオ体操」を始めました。また、ラジオ体操の会場になっている公園の桜がきれいだったので、花見イベントをやったりもしましたね。
 そんな中、NGOアースの玉川さんから、東海若手起業塾を紹介されました。紹介された時点では応募する気はなかったのですが(笑)、自分への挑戦として、ダメ元で応募しました。
 エントリーシートを書くときに自分の事業を紙に落とし込んだことは、今思うととても良い機会でしたね。今まで事業を分かりやすく言語化することはなかったので。

 

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白紙からの再スタート
そして課題のさらなる深堀へ

 起業塾エントリー当時は、養鶏の事業を考えていました。四日市の下野という地区には竹林が多く、その竹林を伐採して憩いの場を作りたいという自治体の動きと、四日市大学で、竹の粉末を鶏のえさに混ぜると栄養価の高い卵を産むという研究があり、この2つの動きを合わせて、今までゴミ扱いされていた竹林を有効活用するという事業です。また、その卵の2次加工で、商店街の地域ブランドにもなればと思っていました。
 ただ、キックオフ合宿の前あたりから、資金の調達や、鳥インフルエンザ対策などの衛生面などで問題が出てきました。その問題をメンバーで話し合いましたが、詰めていくと責任は全て自分になり、一緒にやっていくメンバーと距離ができるようになっていました。
 そのこともキックオフ合宿で相談し、話した内容を持ち帰って再度メンバーと話し合いましたが、結局、完全に養鶏の事業は続けることができなくなってしまいました。
 なので中間合宿は白紙の状態で挑みましたね。すでにある事業をブラッシュアップするのが本来の東海若手起業塾ですが、合宿中になんとか事業をつくることにして、合宿に参加させてもらうことにしました。
 事業をつくるためにメンターの方から言われたのは、地域のニーズ(課題・問題)を150個書きだすということです。75個まではすんなり書けたのですが、150個全て出すまでには夜中の4時までかかりました。
 そして翌日に、出てきたニーズを、①今ある資源で解決できる事、②どうしようもない事、③解決策を作りだしたら解決できる事の3つに分類し、それを元に事業の仮説を出しました。そうやって仮説を考え、検証を続けたのが起業塾の期間でしたね。
 起業塾を通して、課題を掘り下げるということを学んだと思います。最初に課題だと感じるところとは違うところに本当の課題があるということは、実体験から学びました。自分の思い込みで動いていたら、時間をかけたのに全然成果が出なかったんです。自分で思い込んでいたところとは違うところに根本的な課題があるということを、身を持って学びましたね。
 あとは、自分はプレイヤーなのかマネージャーなのか、という問いかけも大きな学びだったと思います。塾生だった当時は両方だと答えていましたが、この言葉の本当の意味は最近分かるようになりましたね。もしかしたら今津さん(当塾6期生)のコーディネーターとしての経験を通して気付けたのかもしれません。  今までは、課題の解決策を考える時に、自分ができることの範疇でしか考えられなかったんです。でも実際やってみると、自分ができることの範疇で達成できることはほとんどなくて。ミッション達成の為には、必ず他の人の力を借りないとできない。他の人の力をどれだけ借りることができるのか、他の人をどれだけ巻き込むことができるのか、ということがマネージャーの力だと気付けたのは、大きな学びだったと思います。

 

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「めんどくさい」ものになってしまった
地域の繋がりをなんとかしたい

 起業塾が終わってからは、四日市の市民活動センターの相談業務を受ける仕事や、「美し国おこし・三重」のプロデューサー業務を行ったりと、I LOVE 地元だけではなく、地域の仕事を任されるようになりました。
 そういった地域の仕事を経験して今思っているのは、自治会を何とかしたいということです。自治会ができた当初、自治会は住民同士で助け合うための組織であり、住んでいる地域を良くしていくための組織だったのに、今ではめんどくさいものとして捉えられています。これは問題だと思うんですよ。
 どうして自治会がめんどくさいものになっているのか、そして、どうしたら自治会の重要性に気付いてもらえるのか、ということを調べて、四日市から自治会を活性化していきたいと思って今は動いていますね。
 東海若手起業塾の場は、日常生活では経験できない場だと思います。普通に過ごしていたら感じ取れない角度からの助言を受けるので、本当に気付きと学びの連続です。自分に対して、そして社会に対して向き合う時間だとも言えますね。
 社会起業家を目指す人であれば、必ず入ってほしいと思います。起業塾に入って意味が無かったと思っている人はいないんじゃないですか。そして、起業塾で得た事を、会社の仲間や地域の人にどんどん発信して欲しいなと思います。

 

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